薪ストーブの文化

火を使うかどうか。火を嫌うかどうか。 これが人間と動物たちとの違いです。 太古の昔から、火は人類の道具。だから炎を見ていると心が和み、気持ちが落ち着くのでしょう。

体をあたため、煮炊きをし、明かりをとる。たき火が文化のはじまりであるとするなら、薪ストーブは 火の文化の最終進化系といえます。

歴史をひもとくと薪ストーブを発明したのは、避雷針を考案した ことで知られるアメリカのベンジャミン・フランクリンでした。 彼は科学者としてだけでなく、政治家、文筆家としても活躍し、アメリカ独立宣言にジェファーソン 大統領とともに署名。現在では100ドル札の肖像画として親しまれている偉人のなかの偉人です。

彼の手になるフランクリン・ストーブは、鋼板をくみあわせて箱型の本体をつくり、前開きドアを 備えたもの。現在の鋼板ストーブの直系の先祖になります。

また、鋳物でつくられたストーブはこれとは別の流れ。そのルーツは、寒さの厳しい北欧にあります。 囲暖炉の上下左右を煉瓦や石でおおったログストーブといわれるものが原型で、これが鋳物でつくられ、 さらに小型化して現在の鋳鉄ストーブとなりました。 厚いかわりに一度暖まると冷めにくい。鋳物の良さがいきています。

薪ストーブは囲炉裏や暖炉と違ってどこにでも設置が可能。しかも、火をストーブに閉じこめ、 薪の燃焼をコントロールしやすくした結果、熱効率が飛躍的に向上しました。この二点において、薪ストーブは、 たき火の完成系といえるのです。

薪ストーブは調理も便利にしました。天板で鍋やヤカンをあたため、炉内の棚でダッチオーブンを熱します。 保温棚のあるタイプは、ヨーグルトの発酵やハーブの乾燥など、用途がさらに拡大しています。また、 独立したオーブンをもつキッチンストーブも生まれました。薪ストーブは、暖房、換気、そして調理の機能を持つ、 マルチに使える道具に高度化したのです。

現在のストーブは、輻射熱と対流熱をともに利用する効率のよい システムになっています。さらに環境対策も新技術を投入。炉を二重構造にすることによって、発生した煙を もういちど燃焼させて煙をきれいにするクリーンバーン方式や、触媒を使って煙を効率的に二次燃焼させる 触媒方式、さらには最もクリーンとされる4重燃焼方式など、エコロジーを考慮したシステムへと、近年さらに 進化しています。

火を使う動物、人間が生み出した究極の道具。それが、薪ストーブ。火と暮らし、火を効率的に利用する喜びを、 ぜひあなたの暮らしに取り入れてください。

METOS薪ストーブ・暖炉 総合カタログ/株式会社メトス/2009-2010

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